膝の痛みを根治する【関節軟骨再生医療】
皆さん、どうもこんにちは。GGGGGです。
「膝が痛い」
実際に現在お困りの方もいらっしゃるでしょうし、若い方でも周りの方が年齢を重ねるにつれてよく聞く困りごとの一つではないかと思います。
これは主に「変形性膝関節症」という病気(!)によって骨・軟骨がダメージを受けている状態によるものが多く、今までは主に進行を遅らせる手術や人工関節に入れ替えをしなければなりませんでした。(例外はあると思うのですが)
しかし、我らが日本の企業が、世界に先駆けて再生医療で損傷した軟骨を再生させる技術を開発しており、徐々に世の中に出てきそうなフェーズとなりました。
膝が痛い原因は?【変形性膝関節症とは】
詳細は以下の専門サイトに譲りますが、簡単に言うと膝の軟骨や骨が削れて、骨と骨が直接ぶつかりぶつかり合ってしまい、痛みが生じる病気です。
厚生労働省では、国内での変形性膝関節症患者数を、自覚症状を有する患者数で約1000万人、潜在的な患者数 (X線診断による患者数)で約3000万人と推定しています。
高齢化の中、患者数は年々、増加しています。発病率は高齢になるほど上がります。
50歳以降の男女比(患者割合)では、女性のほうが男性よりも1.5倍~2倍多いことがわかっています。日本人の場合、すねの骨が内側に 弯曲(わんきょく)しているので、 体重のかかり方から内側の軟骨ばかりが擦り減り、徐々にO脚になって、変形性膝関節症に発展しやすいといわれています。
(出典:人工関節ドットコム(https://www.jinko-kansetsu.com/index.html)
原因としては、肥満や強度の運動により膝に強い負担をかけ続けてしまうことが挙げられます。
この「関節」周りの骨・軟骨というのは意外とやっかいで、一度すり減ってしまった関節軟骨は基本的に再生は難しいようです。(関節軟骨には血流がないため再生できない)
なので、現在医療機関では基本的にすり減るのを抑える努力、すり減ってしまった骨・軟骨を人工関節に入れ替えるなどの方法で対処しています。
(上記HPでも基本的に人工関節を前提とした治療法を主に説明していますね。企業絡みかも知れませんが。。。)
変形性膝関節症とは膝の軟骨・骨がすり減ってしまうことによって痛みを生じる病気
自覚症状のある患者が約1000万人、潜在患者が約3000万人という非常に身近な病気
現在はすり減った軟骨・骨を再生する治療方法はほぼ存在しない
膝軟骨の再生?【再生医療】
それでは、この変形性膝関節症という病気に対して、再生医療で何ができるようになったのでしょうか?
具体的には、患者の体内から細胞を採取し、それをラボで培養してその患者の関節軟骨を再生し、再度患部に移植し直す、という手技を実現しました。
(開発企業によって培養に使用する組織や手法は異なります)
この技術を実現したことで、患者さん自身の関節軟骨を再生し、人工関節などの人工物に頼らなくてもいい治療を提供できるようになりました。
2019年1月現在、J-TECという富士フィルムグループの企業がすでに販売を行っているとのことですが、手術が難しいなど克服しなければならない課題も多いようです。
(2012年7月薬事承認、2013年4月保険適用)
しかし、日経新聞の記事にもあるように、現在複数の企業が上梓を目指して最終段階に入っており、変形性膝関節症に対する再生医療の選択肢が整えられる日も遠くないと思われます。
今後の見通し・課題
上でも書いたように、再生医療の力で、今までは修復することが出来なかった組織へのダメージが治せるようになったら素晴らしいことですよね!
ただ、もちろん以下のようにいくつかの課題はあります。
- 手術が難しい
J-TECの例でも挙げられていたように、現在の再生組織を生体内に戻す手術は難しく、どこの病院でも受けられるようになるにはまだまだ手技進歩の余地があります。
- 再生組織を生体に固定する技術
再生した組織を生体にどのように固定するか、に関しても課題があるようです。先にも述べたように軟骨周りには血流がなく、再生した組織と現在残っている損傷した軟骨を生着(同化すること。切り傷がくっついたり、骨折した骨が治ったりするイメージ)させることも難しい、とのことです。
現在は縫合糸を使って周りの組織に縫い付けるなど、機械的な固定が念頭に置かれているようです。
- コストが非常に高い
難しい技術だからということだと思うのですが、コストも非常に高いです。現在の保険償還価格は1症例に対して200万円以上、これに手術費用等の診療報酬も加わるので、医療経済的に大きな負担となります
(患者さんの負担という意味ではありません。あくまで医療保険制度全体としてのコスト負担と言う意味です。
患者さんに関しては、経済状況によると思いますが高額医療制度等の適用も十分ありえると思いますので専門家にご相談お願いします)
保険適用について(自家培養軟骨ジャック):株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(J-TEC)
しかし、このように課題ももちろんありますが、人工関節のように自分の骨を大きく入れ替えるような手術に比べて、患者さんにとっての負担が大きく軽減される可能性がある技術に対しては非常に大きな期待を持っています!
また、個人的にはJ-TECをサポートしている広島大学 越智光夫教授、ツーセルの大阪保健医療大学 中村憲正教授、大阪大学 吉川秀樹教授、広島大学 加藤幸夫教授、また脊椎分野における慶應義塾大学など、骨・関節分野の再生医療トップランナーもフォローしながら今後の動きを見ていきたいと思います。
課題はあるが、日本の企業・医師が世界のトップランナーとして、この分野を牽引している
セントラル型再生医療事業 | 株式会社ツーセル-再生医療に取り組むバイオベンチャー企業-
以下、全体のまとめです。
Agenda/Summary
変形性膝関節症は、膝の骨・軟骨がすり減って骨同士がぶつかりあうことによって痛みが生じる病気
再生軟骨によって、自身の軟骨を再生し移植する新しい治療法が登場してきた
日本の企業・医師がこの分野におけるトップランナーとしてリードしている
お読みいただき、ありがとうございました。よい一日を。